【入浴介助】浴室の最適な環境づくりについて

福祉用具

こんにちは😁“いが”です^^

私は年間100名以上の患者様が入れ替わる総合病院の回復期病棟で4年、その後在宅のリハビリへと分野を移し社内で1番の訪問件数をこなしながら5年目を迎えています。

今回の内容は、ご家族様の介護の中でもダントツにハードである入浴介助について、皆様の介護負担を少しでも減らしてくれる環境づくりについてや、安全な動作方法のコツについてお伝えさせて頂きたいと思います。

また、ご家族様の介助だけでは入浴が難しくなってしまった場合には、訪問介護・看護による入浴介助のサービス利用や、入浴目的でのデイサービス利用も選択肢として充実しています。

私自身も、病院時代は生活動作の全てにリハビリ職員が関わるというコンセプトの職場でしたので、実際の病院内での入浴現場に直接携わりリハビリ要素を含めながらの入浴介助を多く経験してきました。

その経験を通して思うことは、入浴場面でなによりも大切な要素は“安全に行えること”です。

浴室内は濡れているため通常よりも転倒しやすい環境であったり、衣服を着ていない為いざという時にも素肌だと滑ってしまい対処し切れないというリスクは常について回ります。

今回の内容が、少しでも皆様のリスク軽減や不安の解消に繋がる様に頑張ってお伝えしたいと思います。

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浴室の最適な環境づくりについて

最初にもお伝えしたように、濡れているので滑りやすく転倒リスクが高い状況なので、安全に入浴して頂く為の環境づくりが大切になってきます。

<住宅改修>
浴室に手すりを設置する住宅改修を希望される方も多くいらっしゃいます。住宅改修についてはこちらの記事で詳しくお伝えしています。

<介護保険適応物品>
①シャワーチェアー
座高が調整でき、床が滑りやすい環境でもしっかりと立ち上がり事が出来ることがメリットです。ご利用者様の声として、少し大きくて邪魔だと感じてしまう場合もあるようですが、背もたれのないコンパクトなタイプもありますので、状況に合わせて選択してみて下さい。

②バスグリップ
浴槽のフチに挟めて使うことができ、浴槽内に入る時のまたぎ動作を安全にサポートしてくれるものになります。取り外しが簡単にできることと高さの調節が出来る物もありますので、ご本人様の一番力が入り安定するポイントに合わせてご利用できます。

③バスボード
立ったまま浴槽をまたぐ事が難しい場合に、浴槽のフチにボードを設置する事で座ったまま浴槽をまたぐ事が出来ます。

④浴槽台
浴槽内に設置出来る小さな台で、洗い場と浴槽内の高低差を解消したり、台に座ることで浴槽内の立ち上がりがしやすくなります。ひとつ注意点としては台に座りながら湯船に浸かると、体がお湯から出てしまう為、風邪を引いてしまわないように配慮される事をオススメします。

<介護保険外の物品>
①浴室内滑り止めマット
ご本人様の能力に応じて。基本的にお風呂場での移動距離は短く、伝い歩きもしいやすい環境となっていますので、安定した移動が十分できている場合には不要となります。しかし、歩行が不安定な方は床が滑る状況だと足が一歩も前に振り出せなくなってしまう為、滑り止めマットが活躍します。ひとつ注意点としては、すり足での移動はかえってマットに突っかかってしまい転倒リスクが高まるので配慮が必要となります。

②浴槽内滑り止めマット
浴槽内での立ち上がりの際に活躍します。立ち上がりの原理として、足の真上にお尻が来ないとしっかりと立つことが出来ません(立ち上がりについての解説はこちらの記事でもお伝えしています)。滑り止めマットがないと、浴槽内で足の上にお尻を持ってこようとしても、足が前に滑ってしまいうまく立ち上がれない状態になってしまう方が多い印象でした。浴槽内の滑り止めマットにより足が固定されることで、立ち上がりがスムーズになります。

入浴場面での注意するポイントについて

入浴場面で転倒してしまうリスクが高くなる状況をいくつかお伝えしたいと思います。

①移動時
②足部を洗う時
③浴槽をまたぐ時

そして、怪我のリスクは低いものの介助がもっともしにくいのが、“浴槽内からの立ち上がり”だと思います。

この4つの場面をクリアする事が出来ると、入浴介助のストレスや不安が少なくなると考えます。

ひとつひとつ、ポイントをお伝えしたいと思います。

①移動時→滑り止めマットの使用も効果的ですが、理想は移動するたびに床の水気を拭く事です。これをする事で、滑り止めマットをわざわざ購入する必要性もなくなるかもしれまれん。手間はかかりますが安全性は高くなると考えます。

② 足部を洗う時→足を洗う時に前屈みとなり、そのまま椅子から落ちてしまうというリスクが考えられます。足用に長いブラシや長いタオルなどで深く屈まなくても大丈夫な対策をオススメします。

③浴槽をまたぐ時→福祉用具をご活用頂けると安全性が高まります。バスグリップやバスボードなどご本人様の能力に合わせて選択されると良い考えます。介助者の注意点もお伝えさせて頂くと、突然のバランス崩れに対応しようとしても、衣服がない為滑ってしまい適切に助けられない可能性があります。ご本人様の脇を支える様に、介助者の腕をセッティングしておくと、万が一バランスを崩しても腕がストッパーとなってくれます。

④浴槽内からの立ち上がり→浴槽内の滑り止めマットや浴槽台などの利用をされると比較的楽に動作が行えます。一番大切な事は、立ち上がりの原理をしっかりとここでも活かして頂くことです。お尻が後ろに残っている状態で無理に引き上げようとしてしまうと、介助者の体が保たなくなってしまいますので、要注意ポイントです。お尻が水の中にある時は浮力で軽いので、そのままの勢いでつい介助してしまいがちですが、お尻が水から上がった瞬間に一気に重たくなりますので、水の中にお尻が残っているうちに“足の上にお尻がくる様に”意識されることをオススメします。

終わりに

今回の内容は、在宅介護の中でも最もハードな入浴介助についてお伝えさせて頂きました。

介助者の人が苦しいやり方は、実は同時にご本人様も苦しい場合が多いと言われています。

コツやポイントを押さえることで、お互いが少しでも楽に動作ができると嬉しいです。

そうすることで、お風呂本来の“リラックスして体の疲れを取る!“という良さを十分に感じて頂けると嬉しいです。

皆様からのご質問やご意見などを大募集してます!
記事の内容のリクエストや実際のリハビリに関するご質問など頂けましたら最大限のサポートを致したいと思います✨

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