【症例報告】訪問リハビリのゴールは人それぞれ③(片麻痺で失語症の歩行について、車椅子スタートから外歩きができた)

訪問リハビリ

こんにちは😁“いが”です^^

私は年間100名以上の患者様が入れ替わる総合病院の回復期病棟で4年、その後在宅のリハビリへと分野を移し社内で1番の訪問件数をこなしながら5年目を迎えています。

今回の内容は以前記事にさせて頂いた内容の第3弾となります。※挨拶文は私の大切にしている考えを書かせて頂いてますので、以前のものをそのまま使わせて頂きます。

私が実際に訪問させて頂いている方が、何を目標として日々のリハビリを頑張って継続し
されているのかをお伝えします。

私が病院時代に訪問リハビリに持っていた印象は、「在宅生活の自由度を高めたり、デイサービスに通う事で社会参加をする」という事へのサポートが、主要目標と考えていました。

しかし、実際に働いている中で一人一人の頑張る理由や、もし何でも願いが叶うとしたらやりたいと思っている事などをお聞きした時に、私が思っていた印象以上の深みを知る事が出来ました。

ご利用者様の人生に寄り添う訪問リハビリでは、この十人十色という感覚を本当に大切にしていきたいと思っています。

あっ、こんな事も望んでいいんだ!”と、ご覧下さっている方の選択肢が少しでも広がると嬉しく思います。

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症例5《片麻痺で失語症でもドンドン歩くことが出来る様になったケース》

60代後半の女性で左脳梗塞により右片麻痺と多くの高次脳機能障害をお持ちの方で、注意力や言語機能などが低下してしまっていました。

病院でのリハビリを経て、高齢者住宅にお住まいになられています。ご本人様と家族様の希望である、「歩けるようになる」を目標に訓練開始しました。

はじめは、体を完全に支えながら麻痺側の足の振り出しも全介助する事でなんとか形として歩けますが、膝折れやふらつきが多く見られている状況でした。

また、高次脳機能障害の影響でバランスが崩れても構わず歩き続けようとしたり、歩く事に必要な筋力訓練も失語の影響で理解して頂けませんでした。

そのような状況からのリハビリスタートでしたが、ご本人様のリハビリの意欲が非常に高く、毎回のリハビリで住宅内を麻痺側の全ての振り出しを介助しながら歩く練習を行いました。

また、足を前に振り出す力がどうしても弱い為、もっとその動きに集中的にアプローチしたいと考え、ガッチリと介助をした状態での階段訓練を実施したりと工夫をしました。

階段を上がる時に必然的に足を前に振り出す筋肉が使われる為、鍛えたい動きを行なってもらう事ができました。

週2回のリハビリを継続して頂く事により、約4ヶ月で最大支えなしで杖のみでの歩行が可能となりました。

その後は、住宅スタッフの方やご家族様への歩行介助の仕方をお伝えし、いつでも誰でも安全な状態で歩けるようになりました。

そして、天気の良い日には住宅の敷地内を外歩きが出来るほどにまで良くなりました。

訪問のリハビリは病院ほど設備もなく改善が難しいというイメージを時折持たれますが、今ある環境を最大限に活かして歩行能力を改善できた症例をお伝えさせて頂きました。

症例6《車椅子生活から歩行中心の生活、そして外への散歩まで出来るようになったケース》

90代の女性で高齢者住宅にお住まいの方になります。腸ヘルニアによる手術の為の入院により体力が落ちてしまい日常生活での移動が車椅子になってしまったので、訪問リハビリを希望されました。

訪問リハビリへの希望としては「歩けるようになりたい」という事で介入スタートしました。

初回のリハビリで体力や筋力の評価を行うと“歩く能力は現時点でもある”と判断し、初日から歩行訓練を開始しました。

無事に歩行器を使い見守りでの歩行が可能であり、ご本人様も「まさかいきなりこんなに歩けると思わなかった」と喜ばれていました。

歩行器での歩きが安定していたので、2回目のリハビリでは歩行器も使わずに何も持たない状況での歩行訓練にもチャレンジし、それも安全に歩く事ができました。

歩行の能力が高く安定していた為、長い距離の連続歩行でもふらつきが出ない事を確認し、1ヶ月後には住内を歩行器でおひとりで歩いて移動されるようになりました。

そして、2ヶ月後には屋外用のシルバーカーにて外歩行も達成され、約200m歩く事ができました。そこから徐々に距離を伸ばし最終的には40分以上の外歩行が安全に可能となりました。

元々持っている力を最大限に引き出せた事で、早い段階での移動が車椅子から歩行器での歩行へと移行する事が出来た症例になります。

そして、日々の移動が車椅子から歩行にアップした事で、毎日の活動量も上が体力の向上につながる事が出来たと考えます。

「さて、川まで行こうか!」と笑顔でお誘いして下さる表情を見ると、本当に嬉しい気持ちになります。

終わりに

今回は短期間で身体的な改善は得られ、活動範囲が広がった症例をお伝えさせて頂きました。

たとえ失語症で意思の疎通に配慮を多く要する方でも、問題なく訓練を実施する事ができ、体を改善していく事ができます。

また、出来る能力はあるにも関わらず、その事に気付けずに行動を制限してしまっている場合でも、持っている能力を最大限に引き出すことで可能性を広げる事が可能です。

ひとりひとりに無限の可能性がある事を信じながら、ご利用者様の夢をひとつでも多く叶えていきたいと思います。

皆様からのご質問やご意見などを大募集してます!記事の内容のリクエストや実際のリハビリに関するご質問など頂けましたら最大限のサポートを致したいと思います✨

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