【症例報告】訪問リハビリのゴールは人それぞれ②(90歳でも新しい事に挑戦、小児麻痺での在宅生活継続に向けて)

訪問リハビリ

こんにちは😁“いが”です^^

私は年間100名以上の患者様が入れ替わる総合病院の回復期病棟で4年、その後在宅のリハビリへと分野を移し社内で1番の訪問件数をこなしながら5年目を迎えています。

今回の内容は以前記事にさせて頂いた内容の第2弾となります。※挨拶文は私の大切にしている考えを書かせて頂いてますので、以前のものをそのまま使わせて頂きます。

私が実際に訪問させて頂いている方が、何を目標として日々のリハビリを頑張って継続しされているのかをお伝えします。

私が病院時代に訪問リハビリに持っていた印象は、「在宅生活の自由度を高めたり、デイサービスに通う事で社会参加をする」という事へのサポートが、主要目標と考えていました。

しかし、実際に働いている中で一人一人の頑張る理由や、もし何でも願いが叶うとしたらやりたいと思っている事などをお聞きした時に、私が思っていた印象以上の深みを知る事が出来ました。

ご利用者様の人生に寄り添う訪問リハビリでは、この十人十色という感覚を本当に大切にしていきたいと思っています。

“あっ、こんな事も望んでいいんだ!”と、ご覧下さっている方の選択肢が少しでも広がると嬉しく思います。

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症例3《90歳からの人生初チャレンジ》

90歳女性で基礎疾患に糖尿病をお持ちの方です。

サービス付き高齢者住宅に10年近く住まわれており、基本的に身の回りのことはひとりでなんでもこなしながら生活をされています。

しかし、お部屋での転倒がとても多くなってきたので、体力や筋力をつけて転倒しない体にしたいという希望で訪問リハビリを依頼頂きました。

リハビリ介入により、足や体幹の筋力を強化しバランス訓練も実施する事で、お部屋での転倒がほぼ無くなりました。

また、住宅内の移動もシルバーカーを使ってなんとか移動していましたが、なにも使わず安全に歩けるようになりました。

そして、次の目標として住宅の外にあるゴミ捨て場まで歩けるようになりたいという希望が出てきました。

そこで、外歩行訓練も一緒に行い安全に移動出来る事が確認できました。

念のため見守りのない時にはシルバーカーを使用して頂くように提案させて頂き、ゴミ捨てが日課として安全に継続出来るようになりました。

そして、次には住宅のデイルームに卓球台が置いてあることに興味を持たれました。

これは、もしチャレンジしてみてバランスが崩れてしまった時に、私が側にいて手助けが出来ない距離にいるので、導入は慎重になります。

もし仮に卓球を試している途中で転倒してしまうと、骨折しそのまま寝たきりになってしまう可能性がゼロではありません。

バランス能力などレベルの高い課題を通して安全に試せるかどうかを真剣にチェックしました。

わざわざそんなリスクを負ってまでやらなければならない事では勿論ありませんので、正直悩みもしましたが、ご利用者様からの希望を最大限叶えたい気持ちもありました。

徹底的なバランス能力を確認し、チャレンジしてみても良いと判断しましたが、最初はいつバランスが崩れてもいいように後ろに椅子をセットして恐る恐る試しました。

そこから徐々に安全に実施出来る事に確信を得ていき、最終的にはご利用者様から「この歳になって新しい事に挑戦出来ると思わなかった。今では卓球が楽しみのひとつになっているよ」という言葉も頂く事が出来ました。

危険だからやらない事は1番安全で簡単な選択肢でしたが、プロとして出来るかどうかに真剣に向き合い判断を下すことが出来た経験と、その時のご利用者様の嬉しそうな表情は今でも私の頑張る原動力となっています。

症例4《毎週のリハビリが在宅生活を継続できる最後の砦》

80歳代の女性で、小さい頃から小児麻痺で両方の足に麻痺がある状況で、移動はシルバーカーを利用しながら生活されています。

脳梗塞の後遺症をお持ちのご主人と現在は2人暮らしをしており、ヘルパーの力も借りながら、基本的な家事全般をこなせています。

元々は長男夫婦と同居していましたが、仕事の兼ね合いで九州へ引っ越すこととなり、少しでも長く家で生活したいという希望で訪問リハビリを依頼されました。

週に2回の訪問リハビリでは、足の運動や立位訓練を実施し体力や筋力の維持を図っていますが、1番比重を大事にしているメニューは、全身の疲労回復の為のマッサージになります。

理由としては、リハビリにより疲労の蓄積をリセットする事で、日々を楽に生活する事が出来るようになるからです。

というのも、足に麻痺が残っているため、腕の力を頼りに移動したり家事動作を行っています。

普通の生活を安全に送るだけでも、腕への負担は非常に大きくなるのです。

年末年始など、リハビリが長期のお休みになってしまうと、疲労の蓄積が溜まる一方となり非常に苦しいというお言葉も頂いています。

このご利用者様がお家での生活を長く続けていく為には、訪問リハビリによる体のメンテナンスは切っても切れない関係となっています。

終わりに

最初の方には、いくつになっても新しい事に挑戦することの素晴らしさを感じさせて頂きました。

多くのご利用者様に共通しているのが「ここまで出来ると思っていなかった」という事です。

まず最初は“転ばないように歩きたい”、“少しでも運動して元気になりたい”という、身の回りの目標かスタートしています。

一つずつ出来る事が増えていく事で、新しい目標や諦めかけていた夢にももう一度チャレンジ出来るようになっていくと私は信じています。

また、もうひと症例の方は、今が最高の状態でありその最高の状態を維持し続けることの大切さを学ばせて頂きました。

訪問リハビリにはいい意味で“こうするべきである”という正解がありません

ご利用者様やご家族様とリハビリスタッフのみんなで、正解を探しつくっていけると考えます。

ひとりひとりの人生に対し、オーダーメイドのリハビリを心がけてこれからも頑張りたいと思います。

ご質問やご意見などが御座いましたら下記にご連絡下さいませ。最大限のサポートをさせて頂きます。

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