【福祉用具】スロープ利用の基準について解説

福祉用具

こんにちは😁“いが”です^^
私は年間100名以上の患者様が入れ替わる総合病院の回復期病棟で4年、その後在宅のリハビリへと分野を移し社内で1番の訪問件数をこなしながら5年目を迎えています。

今回の内容は、介護保険でのレンタルが可能な福祉用具の中で、“スロープ“を利用する際の基準についてお伝えしたいと思います。

スロープとは段差を解消する為に使用されるもので、室内用と玄関などに使用される屋外用があります。

基本的には、専門のケアマネジャーや福祉用具のスタッフが、ご自宅の環境にあった最適のものを一緒に選んでくれます。

この記事では、選ぶ時に全てお任せの丸投げ状態にならない為の知識を少しでもお伝え出来ると嬉しいです。

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スロープ利用の基準について(屋内編)

屋内では、和室の敷居や部屋の間にあるわずかな段差の解消に利用されます。

ゴム製の素材で滑りにくく足にもソフトな仕様になっているものが主流です。

スロープが検討される場面は、高齢となり足が上がりにくくなったり、歩行器などを室内でも使用されている状況の時が多いです。

歩行の場合には、夜間のトイレ移動の際など暗さや寝起きで体が思うように動かない場合に段差につまづいてしまうリスクが考えられます。

また、片麻痺の後遺症がある場合にも段差へつまづきやすくなっているので注意が必要です。

歩行器の場合には、車輪が段差を越えられず引っかかってしまうと、そのまま前につんのめってしまい転倒するリスクが高くなります。

また、歩行器自体が段差の目隠しとなってしまい、気をつけていたとしてもうっかりと引っかかってしまうリスクがあります。

室内用スロープは置くだけで手軽に設置可能ですので、それらのリスクが未然に防げるようになります。

スロープ利用の基準について(屋外編)

屋外では、自宅や外出先にあるちょっとした段差や階段の解消に利用されます。

持ち運びが可能であり、段差の高さによりスロープの長さが変わるので、重さも合わせて変わります。

車椅子でのご利用の場合には、ご自身で車椅子を漕いで進む場合と介助者が押して進む場合で、スロープの適切な傾斜角度や長さの目安があります。

ご自身で車椅子を漕ぐ場合は、段差の高さの12倍の長さが必要とされています。

段差が5cmの場合→長さが60cm必要
段差が10cmの場合→長さが120cm必要
段差が15cmの場合→長さが180cm必要

介助者が押して進む場合は、段差の高さの6倍の長さが必要とされています。

段差が5cmの場合→長さが30cm必要
段差が10cmの場合→長さが60cm必要
段差が15cmの場合→長さが90cm必要

ただし、車椅子に乗っている方の体重や介助者の年齢・体力によって個人差が出てきますのであくまで目安として捉えて頂き、実際に試されてから選ばれる事をオススメします。

そして、介助者ありでのスロープ利用時の車椅子操作の注意点がひとつだけあります。

それは、降りる時は介助者が後ろ向きになり、支えるようにして降りるということです。

理由としては、前向きで降りると車椅子の角度が前方へ滑り落ちやすくなってしまいます。

また、スピードがついてしまった時も、制御しきれないというリスクがある為、後ろ向きで降りることをオススメします。

終わりに

今回は、福祉用具のレンタルでも利用頻度の高い“スロープ”についてお伝えさせて頂きました。

室内用・室外用共に、ご利用者様の活動量や活動範囲を広げる上では欠かせないものとなっています。

正しく安全にご利用頂く為の参考に少しでもなれると嬉しいです。

皆様からのご質問やご意見などを大募集してます!
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