【実践編】麻痺の手でのお箸練習と字を書く練習

実践 リハビリメニュー

こんにちは😁“いが”です^^

私は年間100名以上の患者様が入れ替わる総合病院の回復期病棟で4年、その後在宅のリハビリへと分野を移し社内で1番の訪問件数をこなしながら5年目を迎えています。

今回の内容は、利き腕に軽度の麻痺の後遺症が残ってしまった方への自宅で出来る自主トレーニングのコツをお伝えしたいと思います。

麻痺の訓練には段階があり、力が入りにくい弛緩性から力が必要以上に入ってしまう痙性まで、大まかにいうと6段階のステージがあります。

それぞれのステージに合わせた訓練内容があり、弛緩性の1〜3までのステージでは“少しでも力が発揮出来る”ような訓練を行い、

痙性の4〜6までのステージでは“滑らかに適切な力のコントロール”を意識した訓練内容になります。

お箸や字を書くというステージは、この滑らかな力のコントロールが非常に大切な要素となります。

しかし、どうしても思うように動かないという理由から、力任せに動かそうとする事で、ますます痙性が強くなってしまうという場面を多くみてきました。

今回は力のコントロールを意識した自主トレーニングをお伝えしたいと思います。

少しでも思いどおりに動かせるお手伝いが出来ると嬉しく思います。

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麻痺の手でのお箸の練習

お箸の練習は3段階に分けて行う事をオススメします。

いきなり豆などの細かくて難易度の高い訓練をしてしまうと、どうしても必要以上の力で操作しようとしてしまい、痙性を強めてしまうので注意が必要です。

そして、お箸の種類もできる事なら最初は介助用のお箸を使う事をオススメします。

1段階目は、“正しく箸を持つフォーム“の練習です。

まずは動かさずに箸を静かに持つことから始めます。

この時、すぐに疲れてしまったり、どんどんと指先に力が入ってしまい握り拳のようになってしまう事に注意します。

試しに利き手と逆の手でこのフォームの練習をしてみて下さい。きっと、すぐに手の筋肉が疲れてくると思います。

落とさないように必要以上の力が加わってしまう事が原因となります。まずは、この練習により必要な量の力だけが発揮できるよう、力のコントロールの感覚を覚える事が大切です。

2段階目は、“介助用の箸でつまむ“練習を行います。

介助用の箸にはバネがついており、つまむ事に特化して作られていますので、少ない労力で正しい動作を学ぶ事ができます。

そして、箸を開く動きはバネの力が補ってくれます。力を適切に抜く事ができると箸が簡単に開きます。

なので、つまむ事にまずは集中して学習する事が出来ます。力を発揮してつまみ、力を抜いて開きます。

この力の切り替えが始めは少し難しいと思いますが、ゆっくりからでもいいので意識して行なっていきます。

このステージの訓練ではがむしゃらに力一杯の運動ではなく、正確にコントロールができているか、しっかり頭を使いながら繊細に訓練を行なっていく事がが大切と考えます。

3段階目はいよいよ普通のお箸を使って“箸を開く“練習になります。

開くときのポイントとしては、親指を動かす支点として中指の爪で箸を操作し開きます

始めは上の箸一本だけを使用し動かす練習を行います。思い通りに動かせるようになってきてから、下の箸を合流させると良いです。

つまむ物に関しては、ティッシュなどを小指の大きさに丸めたものからスタートされると、適切な大きさと摩擦によりスムーズに練習が行えると思います。

麻痺の手での字を書く練習(右利きの動き)

字を書く練習でも、縦の線・横の線・複合的な動きの3段階の練習を行います。

字を書くときの注意点としては、力が入りすぎてしまい肩まわりにガチガチに力が入ってしまう事がありますが、出来るだけ指先や手首だけに集中できるように、テーブルに腕を乗せ出来るだけリラックスして行います。

1段階目の縦の線を書くときには、主に指先の曲げ伸ばしにより線を書きます。

始めはなぞり書きから行うとよりスムーズになります。

2段階目の横の線を書くときには、指先は固定したまま手首の動きで線を書きます。

縦の線も横の線も、集中すればするほど指先も手首も固定して肩の動きで書いてしまうことがあるので注意が必要です。

3段階目は縦と横の複合的な動きで、曲線などのまるみの練習で、指先と手首を同時に動かしていきます。

このポイントを意識しながら、後は沢山練習して慣れていく必要があります。

ちなみに、塗り絵なども指先や手首の動きを確認するのに良い練習になると思うのでオススメです。

終わりに

今回はお家で出来る麻痺の訓練をお伝えさせて頂きました。

はじめにもお伝えしたように、麻痺の訓練はがむしゃらに頑張るよりも、ポイントを押さえてイメージ通りの動きかどうかを意識しながら行うと、より効果が高まります。

お箸や字を書くというレベルの高い動きとなりますが、“滑らかに“という事を最終的なゴールとして、取り組んで頂けると良いと思います。

少しでも皆様の力になれていると嬉しく思います。

皆様からのご質問やご意見などを大募集してます!記事の内容のリクエストや実際のリハビリに関するご質問など頂けましたら最大限のサポートを致したいと思います✨

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