【認知症】リハビリ介入にあたって意識している事について

訪問リハビリ

こんにちは😁“いが”です^^

私は年間100名以上の患者様が入れ替わる総合病院の回復期病棟で4年、その後在宅のリハビリへと分野を移し社内で1番の訪問件数をこなしながら5年目を迎えています。

今回は、認知症の方へのリハビリを実施する際に、リハビリスタッフとして意識していることや、大切にしている事についてお伝えしたいと思います。

先に答えからお伝えすると“尊厳”と“リスク”と“連携”になります。

この3つを大切にしながら訪問リハビリの介入をさせて頂いています。

認知症をお持ちの方と同居されているご家族様に何か少しでも参考になれば嬉しいです。

スポンサーリンク

リハビリ中に意識している事について

私が認知症をお持ちの方との訪問リハビリで大切にしていることは“ 尊厳”と“リスク”と“連携”です。

ひとつずつ解説させていただきたいと思います。

尊厳について

リハビリの本質とは、“人間らしく生きる権利の回復”であり、“全人間的復権“とも言われています。

要は、“あなたがあなたらしく生きていく事を取り戻す手助け”をする事がリハビリの役割となります。

認知症が重度になっていくと、会話が噛み合わなかったり、怒りっぽくなってしまったりと、適切なコミュニケーションが難しくなってしまうケースも少なくありません。

決して許されることではありませんが、「どうせわからないだろう」と乱暴に扱ってしまったり、コミュニケーションを遮断してしまうという場合も稀にあります。

私の役割は、そんな状況を少しでも好転させ、少なくとも私といる時間は“人としての尊厳”を大切にされているという実感を、ご利用者様に感じて頂きたいと思っています。

そうする事により少しでも精神的な不安やアンバランスが解消され、怒りっぽい症状が改善するケースがあります。

勿論、ご利用者様と関わられる全ての方が、この“尊厳“を大切にして関わる事が1番望ましいですが、介護負担が増してしまうとどうしても感情的になってしまったり、優しくできない場面も出てしまうと思います。

ですので、周りの方が配慮したくてもどうしても手が届ききらない“尊厳”に対して、私は1番大切にしながら介入させて頂いています。

リスクについて

認知症の方が在宅生活を継続出来るかどうかの判断基準がこのリスク管理能力の有無です。

ご本人様や同居の家族様の火器管理や移動の転倒リスクや怪我のリスクの高さ、服薬管理が主なリスクとして考えられます。

火器類に関しては、火の消し忘れにより命の危険に直結する為です。

今は、自動で消えるタイマー付きのコンロやT-falといった電気ポットの利用など、環境面でのサポート機能も充実していますので、状況に合わせてご提案させて頂きます。

また、移動に関する転倒リスクのとしては、ご利用者様の体の能力を上げて転ばない状況を作る事か、手すりやポータブルトイレ、移動時に見守りが付くといった環境面へのアプローチの2つがあります。

勿論どちらにもアプローチを行い、怪我のリスクを下げていきます。

最後に服薬管理のリスクとしては、薬の飲み忘れや過剰摂取があります。

この場合もどちらも命に直結する為、見逃せない重要な項目になります。

認知症で服薬管理が不十分の場合には、服薬カレンダーを用いる環境調整に加え、ご家族様といった第三者のチェックが必須となる場合が多いです。

基本的に認知症によるリスク管理不十分は、命に直結してしまう為、ご家族様への説明や対処方法の提案は密に行っています。

連携について

認知症をお持ちのご利用者様には、リハビリの必要性をお伝えしてもご理解頂けず、拒否されてしまう場合もあります。

リスクについてでもお伝えしたように、転倒のリスクが高くなるほどに在宅生活が難しくなってしまうので、ご家族様と連携してあの手この手で運動を行ってもらえるようにアプローチします。

勿論、拒否されずに運動要素を自然とおり混ぜながら介入できる事が1番ですし、リハビリスタッフの腕の見せ所になります。

ですが、どうしても拒否的な要素が強い場合には、やむを得ず嫌われる覚悟で運動の促しを行う場合もあります。

認知症の主な症状は記憶障害ですが、不快な感情は覚えている事が多いと言われています。

その為、同居しているご家族様へ不快な感情を抱いてしまうと、在宅で一緒に過ごすことすらも難しくなってしまう危険があります。

そこで、役割分担として、嫌な役割を基本的には私が全て請負い、ご家族様にはご利用者様の味方に徹して頂くという方法をとります。

結果として私が嫌われてしまう事になりますが、リハビリスタッフには代わりがいます。

ご家族様に代わりはいませんので、ご利用者様とご家族様が少しでも過ごしやすいように、連携をとる事も大切にしていました。

終わりに

今回の内容は、私がリハビリを行う際に意識している大切な事についてお伝えさせて頂きました。

認知症の場合にはご家族様といかにお互いがストレスなく穏やかに生活できるかが大切であると考えます。

その為には、ご利用者様とご家族様がなるべく直接ぶつかり合わないように、仲介役や嫌われ役としての役割を担う場面もあります。

ご利用者様が少しでも長く、ご自宅で穏やかに幸せに過ごして頂くお手伝いができれば嬉しく思います。

皆様からのご質問やご意見などを大募集してます!記事の内容のリクエストや実際のリハビリに関するご質問など頂けましたら最大限のサポートを致したいと思います✨

    コメント

    タイトルとURLをコピーしました