【実践編】慢性呼吸不全への対処法

実践 リハビリメニュー

こんにちは😁“いが”です^^

私は年間100名以上の患者様が入れ替わる総合病院の回復期病棟で4年、その後在宅のリハビリへと分野を移し社内で1番の訪問件数をこなしながら5年目を迎えています。

今回の内容は呼吸不全を患われてしまった方に対しての対処方法をお伝えしたいと思います。

リハビリにより出来る対処方法は主に2つあります。

ひとつは運動療法やストレッチによる呼吸筋の緊張を和らげる事による身体面へのアプローチを行います。

そして、もうひとつは 普段の生活動作を見直す事によって、少しでも楽に毎日を過ごして貰えるようにプランニングします。

基本的に慢性呼吸不全のご利用者様は、“とにかく動く事がしんどい”という方が多いです。

少しでも毎日の生活を楽に過ごせる為のお手伝いが出来れば嬉しく思います。

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運動療法やストレッチによる呼吸筋の緊張を和らげる事による身体面へのアプローチ

呼吸の困難感軽減に有効と言われている事が、筋力の向上と言われています。特に下肢の筋力アップが良いとされており、歩くことが最も効果的な訓練と言われています。

継続できる範囲での全身運動も効果的です。全身の筋力に刺激を与える体操はこちらに載っていますので、合わせてご参考にしてみて下さい。

また、息が吸いづらくなると“頑張って吸う”という事が癖になり、首や肩まわり筋肉が硬くなります。

肺周りの筋肉の柔軟性が失われてしまう事によって、肺が広がりにくくなり呼吸のしにくさが増してしまうという負の連鎖にも繋がってしまいます。

ご自宅でも出来る呼吸筋のストレッチをご紹介したいと思います。

①肩の上げ下げ(5回)息を吸いながら肩を後ろに引き上げ、息を吐きながら肩を下げます。これにより肩甲骨まわりの柔軟性が得られます。

②顎の引き上げ(5回)息を吸いながら上を向き、息を吐きながら下を向きます。これにより首まわりの柔軟性が得られます。

③手を組んで前へ(5回)息を吸いながら腕を前に伸ばし背中を丸め、一度息を吐いてから再度吸い、吐きながら腹の前に手を戻す。これにより背中と胸まわりの上部にストレッチ効果が得られます。

④体を横に倒す(5回)片手を頭に置き、息を吐きながら頭に当てている方の肘が上がるように体を横に倒します。これにより体の横にストレッチ効果が得られます。

体の筋力を維持させる運動療法と、日々の呼吸により硬くなってしまった肺のまわりの筋肉をほぐすストレッチをお伝えしました。

どちらも大切な事は“頑張りすぎない“ということです。呼吸は生きていくためには欠かすことのできない営みですので、継続していく事を一番に考えて行って欲しいと思います。

普段の生活動作を見直す

普段何気なく行っている動作が、実は気付かないうちに呼吸を苦しくさせている要因という事があります。

呼吸を苦しくさせてしまう原因の“気をつけて欲しい4つの動き“をお伝えしたいと思います。

1つ目は《腕を上げる動作》で、胸の骨が狭まり肺が広がりにくくなってしまいます。
具体例としては、高いものを取る動作や頭を洗う動作などで少し長い時間腕を上げていると、息苦しさが助長されてしまいますので、休憩を挟みながら行うなど注意が必要です。

2つ目は前屈みとなり《お腹を圧迫する動作》で、この動作により呼吸に必要な横隔膜などの動きが制限されてしまいます。
具体例としては、靴を履く動作やお風呂などで足を洗う動作などが当てはまります。靴べらの使用や長いタオルなどで体を洗うなどの対処が望ましいと考えます。

3つ目は《息を止める動作》で、具体例は顔を洗うことやトイレでのいきみなどが当てはまります。意識的に呼吸を行うことなど、息が止まる時間を極力減らします。

4つ目は《腕を使って同じ動作をする》で、集中してしまい呼吸のリズムが崩れやすくなってしまいます。具体例としては、歯磨きやお掃除などが当てはまります。意識的にリズムを保ちながら動作することで、乱れずに対処が出来ると考えます。

基本的には、胸が物理的に圧迫されることや、集中してしまい息を吸うタイミングが乱れてしまう事が主な原因となります。

普段からご自身でも、どんな動作をした後に息苦しさを感じるのか是非分析してみて下さい。

終わりに

今回は慢性呼吸不全についての対処法をお伝えさせて頂きました。

慢性呼吸不全の方は、少し動いただけでも呼吸が苦しいという状態の場合もあるかと思います。

ただ、苦しいから動かないという選択をしてしまうと、どんどんと体が弱ってしまいます。

弱った体を動かすには多くのエネルギーが必要となるので、余計に体がこわくなるという負の連鎖に陥ってしまう可能性があります。

適切な対処法を理解し実践することで、少しでも楽に穏やかに過ごして頂けるお手伝いになれれば嬉しく思います。

皆様からのご質問やご意見などを大募集してます!記事の内容のリクエストや実際のリハビリに関するご質問など頂けましたら最大限のサポートを致したいと思います✨

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