こんにちは😁“いが”です^^
私は年間100名以上の患者様が入れ替わる総合病院の回復期病棟で4年、その後在宅のリハビリへと分野を移し社内で1番の訪問件数をこなしながら5年目を迎えています。
今回の内容は、PT(理学療法士)とOT(作業療法士)の違いについてお伝えしたいと思います。
一般的によく言われるのが、PTは歩く練習でOTは手の練習や手芸をやるんでしょ?という認識をされています。
実はこの認識はその通り大正解です。
じゃあ、逆にOTは歩行出来ないの?PTは手の練習や手芸はしないの?という認識も生まれませんでしょうか?
この答えは、“必要ならなんだってやる”というのが私の考えです。
実はPTもOTも基本的な体の構造や動きについての勉強はすべてのジャンルにおいてしています。
そして、情報交換や事例検討といった勉強会も行なっており、最新情報のアップデートは常に行われています。
では、具体的には何が違うのかという事をお伝えしていければと思います。
PTとOTの得意なことは、、、
病院のようにPTもOTも十分なスタッフの数がいる場合には、その専門性をより活かした分業制により特化した高度な治療を行う事ができます。
私がまだ高校生の時に、専門学校の見学会で教員の方に教えてもらった“目的は同じなのにアプローチの仕方が違う!”という視点の違いが非常にわかりやすく今でも鮮明に覚えています。
それは、椅子から立ち上がれない方がいた時に、まず【椅子から立ち上がる】という目的が生まれます。
PTは体の機能を向上させる事で立てるようにしていきます。足の筋力や腹筋を強くする、体の使い方を学習するといった視点でのアプローチです。
一方で、OTは今の体の状態でどうやったら立てるのかという環境面を考えます。手すりをつけたらいいのかな、椅子の座面が高くなれば立ち上がりやすくなるなといった視点でのアプローチです。
実はどちらの方法でも【椅子から立ち上がる】という目的は達成されます。
ですが、できる事なら体を強くしながら最適な環境を整える事が出来たら鬼に金棒です。
イメージとしては、PTが体を強く鍛え、OTがその体を生かして生活に適応していくという大まかな流れになります。
勿論、お互いに丸投げはしないのでOTが機能訓練もしますし、PTが環境調整もします。
あくまでも、視点の傾向程度に捉えて頂ければと思います。
訪問リハビリにおける専門性の価値
病院の場合はひとりの患者様にPTもOTも両方担当につく場合が多いと思います。
訪問リハビリでもそのように両方ついている場合には、分業制でアプローチが可能となります。
しかし、多くの場合にはひとりにつき担当者がひとりとなります。
そうなると、シンプルに“必要なことは全部”やります。
あくまで、分業していただけで基本的にはプロなので全部出来ます。
ただ、アプローチの視点の優先順位が病院の時と逆になります。
在宅では、まず早急に今の体の状況で少しでも安全に快適に過ごせるように環境をしっかり整えます。そして、毎日の生活の質が確保されてから体の機能を上げていきます。
また、体だけではなく認知機能へのアプローチも大切になります。
一人暮らしの方の場合には、火の消し忘れや薬の管理などは命に関わる内容になりますので、十分配慮していく必要があります。
技術力よりも人間力
極端な話をしてしまえば、どちらの人が担当になったとしても、ご利用者様の目的は必ず達成されます。
そこに行くまでのルートに少し各々の個性があるという程度だと思います。
これまでの内容はすべて技術力の分野の話になると思いますが、訪問リハビリにおいては技術力よりも人間力が非常に大切な要因と思います。
分業制であれば技術力だけでもやっていけるように思いますが、訪問リハビリはひとりで全部やりますので、適切な情報収集のコミュニケーション力や異変を察知する観察力と言った人間力が大事です。
業種に拘らずあなたとしっかりと向き合ってくれる方が、最高のパートナーになると思います。
![パートナー](https://www.igarihablog.com/wp-content/uploads/2020/05/8A54A86F-C59A-4CEA-938A-0A9FD22F097D.png)
おまけに
ちなみにですが、一般的な認知度にはかなりの格差があります。笑
圧倒的にPTの方が知られています。
OTという言葉はかすかにほんのり聞いた事があるかないか程度、、、
現場にいると良く感じます。でも、これは仕方のないことです。
何故かというと、テレビなどのメディアでよく目にするからです!
PTの特化していることは、体の機能を向上させるということでしたよね。
プロスポーツ選手のリハビリの場面などは、徹底的な機能向上となりますので、PTの主戦場の一つです。
リハビリ=体を鍛える
というイメージが定着していることが認知格差の要因であると考えます。
今後OTももっと有名になり、ご利用者様へ不要な不安を与えずに済むようにしていきたいです。
終わりに
よく、「PTとOTってどう違うの?」という質問をご利用者様に名刺を渡した時に聞かれます。
聞いたことのあるPTではなく聞き慣れないOT。当然のご質問だと思います。
そんな方に一つお伝えしたいことは、何回でも説明するので、気になることはなんでも・何度でも聞いてください!ということです。
最後にお伝えしたように、在宅では治療技術者よりも人間力が非常に大切と考えます。
ご利用者様に安心感を持って貰い、わからないことはなんでも聞ける雰囲気や空気感が信頼関係をより深めていくと私は信じています。
よくご利用者様からも「こんな事聞いていいのかわからないんだけど、、、」という言葉を頂きます。
プロとは、全ての行動に意味や理由を持ち、それを相手にわかりやすく伝える力が備わっています。
なので、PTでもOTでも大きな違いはなく皆様が訪問リハビリを希望して下さった改善したい目的を達成することができます。
少しでも皆様の不安が解消でき、お力になれていたら嬉しいです。
ご質問やご意見などが御座いましたら下記にご連絡下さいませ。最大限のサポートをさせて頂きます。
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