こんにちは😁“いが”です^^
私は年間100名以上の患者様が入れ替わる総合病院の回復期病棟で4年、その後在宅のリハビリへと分野を移し社内で1番の訪問件数をこなしながら5年目を迎えています。
今回の内容は、寝返りと起き上がりの楽な介助のコツをお伝えしたいと思います。
朝はご本人様も寝起きでなかなか体が思うように動かずに、ご家族様の介助量が増えてしまいます。
ご家族様の体をしっかりと守りながら、お互いに楽な動作や介助が行える手助けになれると嬉しく思います。
寝返りの介助方法のコツ
大きなポイントとしては2つです
①出来るだけ体を小さくしてもらいます
膝を立ててもらい、出来れば首も少しお辞儀をするようにします。
可能であれば、両手を胸の前に組んでもらい、両肩も浮いている状態だと更に寝返りがしやすくなります。
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②一気に寝返りが難しい場合に上半身と下半身を分けて実施する
寝返りで1番重要な部位が、上半身と下半身にそれぞれ存在します。
上半身では“肩甲骨“が、下半身では“骨盤”がポイントになります。
ですので、介助をされる際には、肩甲骨と骨盤に手を当てて介助されると楽に寝返りが行えます。
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それ以外の、細かいポイントについても少しお伝えしたいと思います。
まずは、出来るだけご本人様と介助者との体の距離を近づけて行なってください。
場合によっては、片足をベッドの上に乗るような姿勢でも良いと思います。
距離が遠く介助者の腰がくの字になっていると、介助者への負担が大きくなってしまいます。
また、ご本人様が手すりを掴める力がある場合には、積極的に手すりを掴んでもらってください。
一番はじめの仰向けの時には胸の前で組んで頂き、体がコロンと横に向いてきたタイミングで手すりを掴みご自身でも少し手伝ってもらえると、なお良いと思います。
起き上がりの介助方法のコツ
起き上がりの場合には、介助者の体の大きさによって少し手順やポイントが変わります。
体の大きさの目安としては、一方の手でご本人様の首に手を回して肩甲骨を保持しながら、もう一方の手で膝を抱えることが出来るかどうかで判断されると良いと思います。
基本的な起き上がりのスタート姿勢は、寝返りでもお伝えした体を出来るだけ小さくしてから行います。
①両手で一気にご本人様の全身をサポートできる場合のコツ
足を下ろすタイミングと体を起こすタイミングを合わせることです。
振り子のように足の重みで上体が起きやすくなります。
この時、完全に横向きにしてから起こすよりも、斜め45度くらいの寝返りの位置から起き上がりを実施した方が、介助者の負担は楽になります。
理由としては、真横に寝返りをしてしまうとご本人様の腹筋の力が生かされませんが、斜め45度の状態であれば、ご本人様の力も合わせて起き上がることが出来ます。
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② 一気にサポートする事が難しい場合のコツ
下半身と上半身に分けて起き上がらせます。
まずは一度完全に横向になるまで寝返り、まず先に足をベッドから下ろします。
その後両手でご本人様の首や肩甲骨をしっかりと抱えて起こします。
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この時、真横にそのまま起こすよりも、少し介助者側に弧を描くように引き寄せながら起き上がると、介助量が少なく実施する事ができます。
❌真横にそのまま起こしている場合
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⭕️介助者に弧を描くように引き寄せて起こしている場合
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※全介助の方法でお伝えしましたが、リハビリ的な観点からすると、起き上がる際に肘を自分で付いてもらうなど、出来る部分はご本人様に協力してもらうと、さらに介助量が少なくなります。
おまけ、起きる前に簡単な体操で体を起こそう
起きてすぐの活動は、ご本人様の体がまだ眠っている状態で力が入りにくい場合があります。
そこで、ベッドの中でも簡単に出来る準備運動を行う事で、“寝返り・起き上がり”が楽になります。
①手をグーパーと握って開いてを繰り返す
②足首を上に下に繰り返し動かす
③手足を浮かせてブラブラと軽くゆする
これらを行うと、体の末端から血の巡りが良くなり、体が起きた状態になり力が入りやすくなります。
おまけ程度に覚えておいて頂けると良いかと思います。
終わりに
今回は寝返りと起き上がりの楽な介助のコツをお伝えさせて頂きました。
全てに共通するオススメとしては、出来るだけご本人様の力も発揮してもらいながら介助することです。
それにより、日常の動作にリハビリ的な要素が加わり、体力の維持向上に少なからず繋がります。
そして、介助者の体に痛みが出てしまうやり方では、在宅生活の継続が徐々に難しくなってしまいます。
お互いに楽な方法やポイントを見つけて頂く手助けに少しでもなれるとうれしいです。
皆様からのご質問やご意見などを大募集してます!
記事の内容のリクエストや実際のリハビリに関するご質問など頂けましたら最大限のサポートを致したいと思います✨
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