こんにちは😁“いが”です^^
私は年間100名以上の患者様が入れ替わる総合病院の回復期病棟で4年、その後在宅のリハビリへと分野を移し社内で1番の訪問件数をこなしながら5年目を迎えています。
今回は、片麻痺の後遺症が重く残ってしまった際の、衣服の着脱と段差の上り下りのコツについてお伝えします。
麻痺の後遺症が重たい場合には、麻痺側の上肢も下肢も思うように動かせません。
拘縮といい筋肉の緊張が緩みにくく力が強く入った状態が続いてしまう現象です。
麻痺側が思うように使えず、健側(正常なほうの手足)中心に生活動作が行われます。
その為、特に衣服の着脱と段差の上り下りについては、効率よく安全に行える為の手順が存在します。
この手順通りに行わないと、服の着脱に多くの労力を使ったり、段差では膝折れなどの転倒リスクが大きくなってしまいます。
単純に知識として知って頂くだけで、普段の生活が少しでも楽に過ごせると思いますので、是非ご参考にしてみてください。
目次
1、衣服の着脱のコツ
2、段差の上り下りのコツ
1、衣服の着脱のコツ
《着る場合について》
Tシャツやトレーナーなどの被るタイプのものだと、
・麻痺側→健側→頭
の順番で着ます。
注意点としては、最後の頭を通す前に麻痺側の袖が肩周辺まで上がっているか確認してください。
というのも、健側を着ている際に肘や手首の辺りまで袖が落ちてしまう場合があります。
その事に気付かずに、手首付近まで袖が落ちている状態で頭を通すと、絡まったようにうまく着ることができなくなてしまいます。
また、麻痺により皮膚の感覚が鈍くなってしまっている場合があるので、目で確認することが望ましいです。
シャツやファスナーなどの前開きのタイプのものだと、
・麻痺側→背中を通して→健側
の順番で着ます。
ポイントとしては、焦らずに背中に服を回してから健側を着ることです。
時折、麻痺側→健側→背中を通すという順番で着る方もいらっしゃいますが、服がねじれてしまい結局正規の手順に直すという2度手間になっている場面とも良く遭遇しましたので、落ち着いて正しい方法で行う事をオススメします。
《脱ぐ場合について》
着た時と逆の順番で行います。
Tシャツやトレーナーなどの被るタイプのものだと、
・頭→健側→麻痺側の順番です。
シャツやファスナーなどの前開きのタイプのものだと、
・健側→背中を通して→麻痺側の順番です。
脱ぐ時には順番以外には特に注意する事はありません。
2、段差の上り下りのコツ
《上りの場合》
健側から上がります。
上りの場合には、先に出す足の力が重要となります。
麻痺側から上がってしまうと、膝折れのリスクが高まってしまいます。
《下りの場合》
麻痺側から下ります。
残ってる方の足で“どすん“とならないようにゆっくり下りるコントロールをしているからです。
このコントロールが不十分だと、麻痺側で着地した際に支えきれずに転倒してしまうリスクが考えられます。
慌てずにゆっくり安全に動作を実行してください。
結論として段差の場合には基本的にいつも健側が上にある状態という事を覚えて頂けると大丈夫です。
終わりに
今回は、麻痺が重たく残っている場合の、衣服の着脱と段差の上り下りについて簡単に手順をお伝えさせて頂きました。
必ずしもこの手順通りに行わなければダメということは一切ありませんが、少しでも楽に安全に効率よく行える方法となっています。
是非、毎日の動作の参考にして頂けると嬉しく思います。
皆様からのご質問やご意見などを大募集してます!記事の内容のリクエストや実際のリハビリに関するご質問など頂けましたら最大限のサポートを致したいと思います✨
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